濱菊_瀬山

建物を設計しながら考えたことなど
森山邸のこと

ひと月ほど前、森山邸(設計:西沢立衛)を見学する機会に恵まれたので、ここにメモを残しておくことにする。

この建物において作られている様々な場所を分類すると、次のような物になるだろう。
「屋根のない場所/屋根のある場所」
「靴で歩く場所/靴を脱ぐ場所」
この2つの分類項の組み合わせによって作られる4つの領域(屋根がなくて靴を履く、屋根はないが靴は脱ぐ、屋根はあるが靴を履く、屋根があって靴を脱ぐ)がこの建物には存在する。というか、この建物を訪れてそこを歩き回っていると、自ずとこのことに気づかされるような作りになっているのである。

これはこの建物にとって、非常に重要な事だとおもわれる。なぜならばこのような形式性は、通常の建物においては自明のように前提とされている「内部/外部」といった分割のうちには捉えきる事ができない空間の存在を含んでいるからである。例えば、ガラスによってのみ囲われた通路状の空間は、床面も土で作られていたが、ここは外部なのか?内部なのか?あるいは、小さな浴室とキッチンの間に挟まれ、植木が植えられている中庭のようなスペース。ここは、物理的には「屋外」の空間でありながら、しかしきわめて「内部」的な場所になっていると言えないだろうか?
続きを読む >>
| 建物のかたちについて | 16:03 | comments(0) | trackbacks(0) |