濱菊_瀬山

建物を設計しながら考えたことなど
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つきのぼうやの居場所 T邸「ネコちゃん図書室」

T邸の本棚コーナー、通称「ネコちゃん図書室」が完成したので、考えたことなどを書き留めておきたい。

本の種類には、自分が考えていた以上に、いろいろな高さ、奥行きのものがあるということを知った。

書店に行くと、新書は新書、文庫は文庫、コミックはコミックなどのように、ジャンル別に本が整理されて、それぞれが大量に反復される形で並べられているがゆえに、このことはなかなか気づかない。書店の本棚のあるコーナーだけを取り出してみれば、そこには同じ版形の本ばかりが並べられているからである。

しかし、一旦それらが購入されて家に持ち帰られると、そこには、書店とは異なった風景が現れることになるだろう。購入した本を新書は新書、文庫は文庫、などとジャンル別に並べようとしても、それらは、たいていの場合、本棚の一列を満たすほどの量がないし、だから本棚をジャンル別に分ける以前に、一つの本棚のなかに、様々なジャンルの本が「一緒に」収められることになるわけだから。そしてそのときに私たちは、本ってけっこう「いろいろな高さ、奥行きのものがある」ということに、あらためて気づかされるのである。

つまりそこには、高いの、大きいの、分厚いの、ペラペラなの、細いの、凸凹しているの…といったものたちが、一緒におさまることになる。そしてこれらに唯一共通しているのは背表紙が見えないと困るということなのである。(ちなみに、CD用の棚はこれとは全く異なる。むしろ、同じ大きさにそろえられたCDをいかに大量に並べることができるかということを考えた方がよい。)

様々な奥行き、様々な高さをもった、バラエティに富んだ本たちを、どうやって配置するか。それらの本たちが「便宜的に本棚におさめられている」ような姿としてではなく、それぞれの居場所を持って存在しているような本棚にするには、どのようなかたちが必要なのかを考えた。例えば、本が差し込まれることによって、その隙間が「使える」んだという発見がおこるような本棚にしようと思った。
| 建築計画 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
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